住宅ローン返済: 2008年1月アーカイブ

せっかく手に入れた住宅。しかしそのローンが支払えなくなったら...。人生はなにが起こるかわかりません。
「いざ」というときのために返済不能になったときの知識は持っているほうがよいでしょう。返済不能への対応を知っていてこそ自分に最適なローンが組めるというものです。

ローンにも公的と民間の2つがありますが、今回はローンの支払いが滞り、住宅金融支援機構(旧:住宅金融公庫)から「催告書をもらった」「担保不動産の競売開始決定をもらった」などローンの支払いができなくなったときの対応につてご紹介します。

まず、公的機関ですから遠慮をしないで「相談すること」をお奨めします。返済期間の延長など対策をアドバイスしてくれます。

全体的な流れとしては6ヶ月の督促のあと、機構の債権は保証協会に移ります。つまりその後は保証協会が返済を求めてくるのです。

保証協会は「任意売却」「競売手続き」へと対応を進めますが、売買が成立したとしても債務がゼロになることはほとんどありません。
その場合民事再生法や自己破産など対策はいくつかありますが、大切なのは「ローンを支払える範囲内で借入をする」ということです。

危険を感じたら恥ずかしがらず見栄を張らずに正直に金融機関に相談することです。

住宅ローンの返済方法も、住宅ローンを知る上でとても大切なことです。

住宅ローンはどうしても融資を受ける時が一番大事なので、融資を受けやすいことや金利が安いこと、手数料が安いことなどに目を奪われがちです。ですが、これらの部分にはかなり厳しく比較検討していても、返済方法についての検討が抜けているとこの部分で損をしてしまうこともあり、見過ごすことは出来ません。それでは住宅ローンの返済方法についての知識をまとめました。

まず、住宅ローンの返済方法には大きく分けて2つの方法があることを知っておいて下さい。その2つの方法とは「元利金等返済」と「元金均等返済」です。パッと見ただけでは名前が似ているので同じ言葉が2回並んでいるように見えますが、よく見ると2文字目の部分が「利」と「金」となっており、ここだけが違います。1字違いの両者は名前こそ似ていても全く中身は異なります。それではそれぞれの返済方法を解説いたします。

まず、元利均等返済。これは借り入れ金額に金利を加算した支払い総額を支払い回数で均等割にした返済方法です。現在一般に利用されている住宅ローンの大半はこの方法で最初から最後まで支払い回数が均等になるのが特徴です。但しローンというのは金利から先に支払っていくものなので、同じ金額を支払い続けているとは言え、最初の頃はほとんどが金利分の支払いで、回数が多くなるにつれて徐々に元金の比率が高くなっていきます。よく住宅ローンを組んだばかりの人が「まだ金利を払っているだけ」と話すことがありますが、これは元利均等返済の住宅ローンが始まったばかりであることを意味しています。以上の解説をお読みになると「元利」という言葉は「元金と金利」という2つのお金を略したものであることが分かりますね。

次にもうひとつの「元金均等返済」。これは借り入れ金額を支払い回数で均等割りにして、そこに金利を加算したものを毎月返済することになります。前者の元利均等返済だと最初は金利を支払っているだけですが、これだといきなり元金を支払っていきますので支払い開始直後から元金が減っていきます。元金が徐々に減っていくということは、ローン開始直後は一番元金が多い状態なので、そこに金利を上乗せしますから初回が最も返済金額が高くなります。そして、元金が減るごとに徐々に減っていきます。このため若いうちの支払いが高くなってしまうので、利用できる人は限られてしまいます。実際にこの返済方法を利用している人は少数派です。元金が最初から減っていくということで、支払い総額は低くなるので総額で比較するなら断然おトクな返済方法です。

住宅ローンは最長で35年にわたる長いローンです。35年の住宅ローンを組むと、人間の平均的な寿命が70年だとすると人生の半分は住宅ローンを支払っていることになります。

それだけ長いスパンで関わることになる住宅ローンについては、借りる時点での検討だけでなく将来にわたって綿密に見込みを立てておく必要があります。例えば住宅ローンを組む時に住んでいる家が賃貸マンションだとします。その家賃が10万円だとすると、住宅ローンの返済金額と大差がないので、どうせならローンを組んでマイホームを購入したほうが得策…これは住宅ローンを組む人の大半が考えることです。

これは一見すると間違いないように見えます。これを検討している時期が30歳で、2歳の子供が1人居ている状況だとしますと、この支払いプランが現実味を帯びているのはもしかすると今だけかも知れないということを考える必要があります。2歳の子供ならまだ未就学ですから教育費もかかっていませんし、子供が1人だけで終わるとは限りません。今後考えられるあらゆる可能性は、どれも現在よりお金が掛かることのほうが圧倒的に多いのです。その時に収入が思っているように増えていなくて、住宅ローンの金額が同じだとしたら、現在よりも負担そのものは大きくなってしまいます。今のまま賃貸マンションに住んでいるのなら、多少不便なところでも家賃の安いところに引っ越せば負担は軽くなりますから引き続き同じレベルの生活をすることが出来ますが、住宅ローンを組んで住宅を購入してしますとそう簡単にはいきませんね。

こうした可能性を考えられるだけ織り込んで、10年後、20年後、30年後に支払っていける能力があるかどうかを事前に見込んでおくために住宅ローンにはシミュレーションという作業があります。これは借り入れする金額と金利、支払い方法などの条件によって月々の支払い金額や支払い総額を即座に計算できるものです。このデータに基づいて将来の資金計画に役立てることが出来れば、住宅ローンを組んだのはいいものの10年後に「こんなはずではなかった」ということにはならないと思います。

シミュレーションは住宅ローンを提供している会社や住宅ローン専門のサイトなどで簡単にやってみることが出来ます。具体的に検討している不動産が無い場合でも、どれくらいの資金を用意すればどれくらいのローン返済金になるのか、などの目安をつかむことが出来るので大変便利です。

それでは次の項で実際に住宅ローンシミュレーションを行った事例を交えてさらに詳しくご紹介したいと思います。

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